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08 | 2019/09 | 10

寿司を食べている場合じゃない、芋ようかんを食べている場合だ! 

東映特撮Youtube Official、魔法少女ちゅうかなぱいぱいが放送終了しました。



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色々あって早めに最終回が来た番組ですが、キレイに終わったと思います。
突然のさよならにおバカな三兄弟がおバカなりにぱいぱいを引き留めようとするのが切ない話。
三人のコミカルなコンビネーションは今後の不思議コメディシリーズに登場する三人組に継承されていき
後の「忍たま乱太郎」での乱太郎・きり丸・しんべヱにつながっていくのでしょう。




8/20の22:00から魔法少女ちゅうかないぱねまが始まりました。
こちらも浦沢義雄さんの脚本です。




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新キャラのいぱねまは島崎和歌子さんが演じています。
優等生タイプのぱいぱいとは打って変わってお嬢様育ちのいぱねまが高山家に来てドタバタします。
三兄弟はもちろんのこと、斉木しげるさん演じる自由奔放な考古学者のお父さんや
名門高山家を復活させようと目論むキャラの濃い伯母さん三軒茶屋小百合(柴田理恵さん)も登場します。
一話では、たった一人のお兄ちゃんが一身上の都合によりサッカーに行きます。
二話では、土地転がしをしていたら転がりすぎて海に沈んじゃいます。
どういうこっちゃ?でも、気になるでしょ。



いぱねまの次のポワトリンについては数年前の配信の時、既に記事を書いていました。

命、燃え尽きるまで

3年前の私が熱く語っています。





そんな浦沢脚本ファンたちが開催した展覧会、
岩間茜・長谷川順也二人展「怒離眠!ゆるふわ必殺拳~偏差値の高い人間国宝へ~」
のギャラリートーク「浦沢義雄の夕べ」の様子です。






まずはオープニングアクトとして紙芝居を行いました。



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「リーゼント燃えてるよ ~前頭葉ゆるふわ墓地編~」です。
こちらは長谷川さんが撮ってくださいました。

最初は主人公をいつもと一緒で男性にしようと思っていましたが
私は私の不思議コメディを描くべきだと思い立って魔法少女が登場することとなりました。




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こういう話です。
動画撮ったらアップします。





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こちらはお客さんとしてお越しいただいた、すどうとよあきさん撮影の写真です。
写真に写っているパソコンのモニターで不思議コメディのオープニング映像を流したりしました。






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メンバーの長谷川さんが作ってくださった資料です。
なんだか本当に資料っぽいでしょ?
全部見れるのは来た人の特権にした方が良いかしら、と思うので一部だけお見せします。
芋羊羹については後で。

どんなことが書いてあるかというと、
人物や作風について、関係者、脚本した作品リスト、
メインライターを務めた不思議コメディやカーレンジャーについてです。
身も蓋もない事を言うと、詳しいプロフィールなど知りたい人はWikipediaとか見ましょう。



浦沢さんの脚本は独特な世界観で「浦沢ワールド」とも呼ばれています。
特徴としてまず挙げられるのが無生物の活躍。
ただの食べ物や電化製品などが意志を持って行動します。
別段キャラクターとして擬人化されるわけでもなく普通に無生物として喋ってピアノ線で宙に浮きます。

ちゅうかなぱいぱいでは主人公ぱいぱいのボーイフレンドのレイモンドがラーメンになってしまいます。
ラーメンになったまま人間界へ逃げていくレイモンドを追っていきますが
久しぶりに会ったレイモンドはなんとチャーハンと結婚していました。
助けてくれた恩もあり仕方がなかったのもありますがこの切ない展開は戦争映画さながらです。
戦争で記憶喪失になった夫が別の場所で結婚してるとかよくあるじゃないですか。
それでいてチャーハンがストーブや毛布で温めて介抱する姿やホカホカになるラーメンが可笑しくて
可笑し切ない妙な感じなります。

浦沢さん曰く「人間が嫌いなんだ。書いてて面白くない。役者の熱演より、鍋が喋った方が面白いだろうって」とのこと。

無生物にある魂はとてもリアルに丁寧に描かれているにも関わらず、
反対に人間の心は物質のように扱われています。
心をキレイにするために心をドライクリーニングしたり洗濯機で洗ったりお化粧したり
こんなことで本当にキレイになっちゃう展開を物語の山場でやっちゃいます。
丁寧に子供を親が諭し親も成長していくことなんて絶対しない、これにはフルハウスもびっくりですね。




小学校の同級生の影響もあったようですが、女装する男の子がよく登場します。
カブトボーグで「女装は癖になるから気をつけろ」って格言に呆気にとられた人も多くいると思いますが
これを特撮で本当に小学生くらいの男の子がやってたこともあります。
ちゃんとサイズのあった服で下着も女性用のものを身に着けていたりして無駄に感心します。
必ずいるぽっちゃりした子が特に似合う。




恋をするのに割と性別にこだわらないところもあります。
可愛ければ男の子でも女の子でも構わないから嫁にしたいという敵が現れてちょっと面白い展開になることもありますが
ヒロインと親友との刹那的な恋を描くこともありました。
ナイルなトトメスでは、主人公のサナエの親友・ティナがトトメスを好きになって
トトメスもその愛を受け入れる話がありました。
彼女たちの恋は本当に一瞬のことでしたが
あとで食卓で家族に「ティナったら笑った顔が可愛いんだよ」と話しているサナエは
ローマの休日でアン王女が「なんといってもローマです」と言った締めくくりのセリフのようでした。

不思議コメディは同性に限らず遠い星や許嫁の居る王子様だったり源義経だったり
どうにも難しい恋で運命的に上手くいかない話が結構多いです。
恋をするきっかけが神のお告げとか多少強引なところはありますが
終わりは本当にしっとりと切なくそれでいてドライです。
うたう!大龍宮城ではスタッフロールの背景で乙姫がうつむいて泣いているのを慰めるのがお父さんな所がなんか良い。
大人になる過程で失恋は中ボスくらい重要なので必ずと言っていいほど通る道なんですね。



トトメスで最初に使われて、うたう!大龍宮城での決め台詞になった
「人生は二度無い、三度ある」という言葉があります。
これをヒロインが言うと敵がハッとするんですけれども
三度もあるわけ無いじゃんと思えばそれまでで、だけど一度しかないと思うと案外身動き取りづらくて
二度あるっていうと嘘くさいから、やっぱり「三度ある」でハッとするんですよね。
絶妙な回数です。
この言葉は、長年仕事を共にした木村京太郎プロデューサーが急逝した際に献花台に捧げられました。



浦沢さんの作品では、ミュージカルのような描写も多くあります。
その時流れる曲の作詞はなんと浦沢さん本人。
聞けば納得の内容です。


うたう!大龍宮城で偏差値の低い女子中高生に真珠を見せてほしいとアカガイに頼んでいる所、
真珠を作れないことを偏差値の低い女子高生達にUFOが教える歌「一番街に」では

一番街に住む タフガイのアカガイは
意外にも 真珠を作れない
二番街に住む 宴会好きのミルガイは
豪快にも 真珠を作れない


と、韻を踏みつつ最終的に真珠を作れるのはアコヤガイであることを教えてくれる教育的な曲もあります。



この曲はトークショーでも流させていただきました。
特撮ヒロイン・ファンタジー主題歌・挿入歌大全集の中に収録されています。
不思議コメディシリーズの曲がほとんど収録されていてディスク3枚の大ボリュームです。
トークした二人ともそれぞれ持っています。


トークの時に紹介していませんでしたが「シーラカンスは昔」という曲では

シーラカンスは昔 大学教授になりたかった
でも今は野球選手 偏差値の高いホームラン打つぞ


とありました。(CD版だと歌詞が違っています)
これもまた「人生は二度無い、三度ある」です。


Wikipediaによると浦沢義雄さんは昔、ダンサーだったそうですが今は脚本家です。
歌って踊れる特撮番組を作っているのは「人生は二度無い、三度ある」を自身が体現していたのではないでしょうか。






不思議コメディシリーズでは柴田理恵さんが毎回何かしらの濃いキャラとして登場していました。

ぱいぱい&いぱねま…高山家名門復活を目論む三軒茶屋の伯母さん
ポワトリン…警察の面目の為ポワトリンを逮捕しようとする本田警部
トトメス…ブティックの店員になりすましてトトメス少女隊に犯罪を促すタコ型のナイルの悪魔
うたう!大龍宮城…息子が勉強をしていて怒るフグ
シュシュトリアン…家族を故郷の星に残して地球に出稼ぎに来ているETおばさん


色んな濃いキャラのおばさんを何年も演じ続けていますが
どのキャラも作中で異彩を放つ無茶苦茶さ、人間とは思えないほど振り切った仮装、
だけどそれでいて子どものことをちゃんと考えていたり常識的な部分もあるおばさんです。
恐さとコミカルさがちょうどいいから子どもと共演する相性も良いのでしょう。
そして、毎シリーズ出てくることから「この話はフィクションである」ということを子どもの心に植え付ける
ドライな作為もあったりして、と今になって思います。




不思議コメディからは少し逸れてカーレンジャーのこと。
普通に自動車工場で働いている社員達が強引にヒーローにされる時それぞれの月給を暴露する第一話。
それからもギャグがメインで話が続いていて
他の戦隊シリーズとは異色すぎたのか年間視聴率はワースト2だったそうです。
(ワースト1になったとされる戦隊ヒーローは裏番組にらんま1/2があったからかなと
個人的に思ったのですが、そのらんま1/2は脚本が浦沢さんだったからわからないものですね)

カーレンジャーの作中で最も重要なアイテムは、芋ようかんです。
芋長の芋ようかんを食べると敵が巨大化します。
それにちなんで先程載せた写真の芋羊羹をお土産に持ってきたのでした。
芋ようかんはすごすぎて物語の根幹を左右するほどのアイテムです。腐ってるのには気をつけよう。

中盤から出てくるシグナルマンは単身赴任で地球に来ています。
故郷のポリス星には妻子が居て、妻はシグエ、息子はシグタロウと言います。
地球で出会う市太郎君と自分の子どもを重ねるシーンにシグタロウが在るのはわかるとして
シグエってなんだよシグエって…シグ子でもシグ美でもないのかよと考えると
未だにシグエって言葉だけで笑えてきちゃいます。





と、ダラダラと書いてしまいましたがそのようなことをトークショーで話したりしていました。



ところで、ツイッターでトークショーに来る方がどれだけ居るか事前アンケートを撮っていました。


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浦沢義雄botさんがリツイートしてくださったおかげで私のアカウントにしては投票数がいつもより格段に増えたのですが
ほとんどの人が国連事務総長の接待に行っていてこのような結果になりました。
実際、トークショーの時はお店の席がほとんど埋まったので程よい人数で良かったけれど
展覧会のことを知らずに急に来てくれる浦沢脚本ガチ勢も、ちょっとは来てほしかったかなとも思いました。

ちなみに、これらの用事の内容の元ネタはナイルなトトメスです。小学生女子の思いつく言い訳じゃない。



大ベテランの脚本家さんなので全てを語るのは難しいから自分の好きな部分を重点的に語ることしかできませんが
とても好きなので広めたくてトークショーを開催しました。
これをきっかけに知らなかった作品も、今まで見ていたけれど脚本家を意識しないで見ていた作品も
楽しんでいただけたら私も嬉しいです。


展覧会及びトークショーに来てくださった方、関わった方々、
会場を貸してくださったギャラリーカフェテオさん、一緒に開催してくださった長谷川さん、
そしていつも面白い脚本を書いてくださっている浦沢義雄さん、ありがとうございました!!

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