05 | 2017/06 | 07

ショートショートを書いてみました 

【突然魔王がやってきた】


その1

ある日、突然魔王が人間界へやってきました。
「フハハハハ、人間どもを不幸に貶めてやるぞ~!」
通りすがりのおばさんは、魔王に言いました。
「この間『幸せになるためのセミナー』に行ってきたんだけど、
人を幸せにする前に自分が幸せになりなさいって教祖様が言ってたのよ。
だからきっと、不幸にしたかったら自分から不幸にならなきゃダメなのよ」
「そっか~、がんばってみるよ」
魔王は不幸になる方法を考えた末、自分の全財産をばら撒いてみました。
「金じゃ、金じゃ~!!」
お金に困っている人達がそのお金に群がり、結果ちょっぴり豊かになりました。    完


その2

ある日、突然魔王が人間界へやってきました。
「フハハハハ、人間どもを不幸に貶めてやるぞ~!」
通りすがりの中学生が魔王に尋ねました。
「どうやって不幸にするの?」
魔王は答えました。
「世界中を火の海にしたり、戦争が起きるように仕向けるつもりだフハハハ!」
中学生は言います。
「今まで世界では災害や戦争で苦しんだ人達がいるけど、
日本での自殺者は、平和そうに見える今が一番多いって社会の授業で言ってたよ。
平和と思われる毎日が虚無感を湧き上がらせて生命力を失わせるんじゃないかな」
「そっか~、がんばってみるよ」
魔王は世界を破滅させる為にあった自分の力を戦争根絶や災害の防止に使い、
世界中が一見幸せそうな場所へと変わっていきました。                   完


その3

ある日、突然魔王が人間界へやってきました。
「フハハハハ、人間どもを不幸に貶めてやるぞ~!」
通りすがりの犬が魔王に言いました。
「じゃあボクは大丈夫だね」
魔王はなんか悔しいから訂正しました。
「フハハハハ、人間と犬を不幸に貶めてやるぞ~!」
通りすがりの猫が魔王に言いました。
「ならアタイは不幸にならないのね」
魔王はもう一度訂正しました。
「フハハハハ、人間と犬と猫を不幸に貶めてやるぞ~!」
池で泳いでいた鯉が飛び跳ねて言いました。
「だったらワシは平和さね」
魔王は再び訂正しました。
「フハハハハ、人間と犬と猫と鯉を不幸に貶めてやるぞ~!」
道に咲いた花がささやきかけました。
「それなら私は問題ないわね」
魔王は今度も訂正しました。
「フハハハハ、人間と犬と猫と鯉と花を不幸に貶めてやるぞ~!」
傍にあった電柱が思いを伝えました。
「では僕はセーフということで」
魔王はまたまた訂正しました。
「フハハハハ、人間と犬と猫と鯉と花と電柱を不幸に貶めてやるぞ~!」
「じゃあ」「だったら」「では」「もしや」「私は」「ならば」……………。

魔王は疲れて帰りました。                                     完

コメント

読ませて頂きました。(笑)

*あかね*さま

思わず、笑ってしまいましたo(^▽^)o
とても素直で、几帳面な魔王ですね!
ちょっぴり、可哀想ではありますが…面白いので仕方ありません。
『その1』『その2』の話の流れがあって、『その3』は、私的に最高!
拍手です!!

絵師画師さんへ

ありがとうございます!
悪いことしようとしてるくせに、やけに素直なんですよね。
今のままなら世界は滅ぼされずに済むでしょうw

人造人間もセーフってことで。w

律儀な魔王。大成しないだろうね。ww
『世の中を不幸にするツボが、今なら120万でお分けしているんですが、購入されますか?』
って言われたら、買っちゃいそうな魔王ですね。

円じゃなくてドルだったと知って、ヘコんでいそうですが。爆

フハハハハ、人間と犬と猫と鯉と花と電柱と人造人間を不幸に貶めてやるぞ~!

>たろすけ(すけピン)さん

律儀な魔王はまた訂正しましたw

「そうか~、買ってみよう」とか言って絶対ツボ買っちゃうでしょうね。
しかもヘコむ理由そこですかwww

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